パソコンの基礎知識について考えてみよう
Ladies and gentlemen. Welcome to the Hiroshima University PCSS official website.
(訳:皆さんこんにちは。広島大学PCSS公式サイトへようこそ。)
というわけで初っ端から失礼しました。PCSSサポーターのえぞまつです。
さて、PCSSではパソコンを使って様々な作業を効率化する方法や、日常生活を便利にする方法を紹介しています。しかし、皆さんは普段使っているパソコン-正式名称は「パーソナル・コンピュータ」-についてどのくらい知識がありますか?
自分が使っているものについて知ることはとても重要です。特に、工学部や情報科学部の学生であればなおさら重要でしょう。そこで、今回はパソコンの基礎知識について簡単に解説したいと思います。それではよろしくお願いします。
目次
- パソコンとは何か?
- パソコンにとって必要不可欠なソフトウェア
- パソコンを構成する部品
- まとめ
- エピローグ
パソコンとは何か?
そもそもパソコンとは何かについて説明します。先程書いたように、パソコンの正式名称は「パーソナル・コンピュータ」です。名前から分かる通り、パソコンとは個人で使用することを前提に設計・開発されたコンピュータのことです。1970年代にマイクロプロセッサ(CPU)という装置が開発されたことにより登場し、その後の技術革新に伴い急速に普及しました。
パソコンの最大の特徴は、「個人が様々な用途で利用することができる」という点です。パソコンが登場するまでのコンピュータは、特定の用途(軍の情報管理など)に特化したものが多く、サイズも非常に巨大でした。しかし、パソコンは個人が使える大きさでなおかつ様々な用途に利用することができます。
さらに、皆さんが授業の課題をしたりネットサーフィンをしたりしているように、多くのパソコンはコンピュータに関する専門技術がなくても使用することができます。これにより、コンピュータに関する専門技術を有していない人でもパソコンを使って様々な作業を行い、日常生活を便利にすることができるのです。
パソコンにとって必要不可欠なソフトウェア
パソコンには必ず必要なソフトウェアが存在します。それは、オペレーティング・システム(OS)です。OSはパソコン全体の管理を行うソフトウェアであり、これがなければインターネットブラウザを使うこともOfficeソフトを使うこともできません。
OSは主に3種類存在します。Microsoft社が開発する「WindowsOS」、Apple社が開発する「MacOS」、そして「LinuxOS」です。WindowsOSはPCSSのサポーター・受講生のほとんどが使用しているOSで、日本・海外でも多数のユーザーが存在します。MacOSはiPhoneやiPadなどApple社のスマホ・タブレットを使っている人には馴染み深いOSです。WindowsOSとMacOSはいずれも一般的な利用者向けのOSですが、LinuxOSはある程度専門的な知識を持っている人向けのOSとして知られています。
このように様々な種類のOSが存在しますが、人生で初めて自分のパソコンを持つ人はとりあえず「WindowsOS」と「MacOS」のいずれかを選べばいいと思います。これから大学を受験しパソコンを買おうと考えている人は、自分が進む学部がどのOSを推奨しているか確認してから選んでください!
パソコンを構成する部品
パソコンは様々な部品から構成されている機械です。そのため、パソコンに関する本や記事を読むと様々な部品に関する説明が書かれていることがあります。さらに、パソコンには「デスクトップPC」「ノートPC」「タブレットPC」など様々な種類が存在し、それぞれで使われている部品や付属品も異なります…。
そこで、今回はパソコンを構成する部品のうち、最も重要な「CPU」「メモリ」「ストレージ」について説明します。
CPU
CPUとは、コンピュータが演算処理を行う装置です。人間で例えると頭脳です。CPUはパソコン内部で様々な処理を行うため、パソコンの性能はCPUの性能で決まるといっても過言ではありません。性能の良いCPUを選べば処理速度も上昇しますが、その分お財布への負担も増えます。
CPUの性能を表す指標はいくつか存在しますが、今回は「コア数/スレッド数」と「クロック数」について紹介します。コア数はCPUに搭載されているコアの物理的な数で、スレッド数はパソコンが認識する擬似的なコア数です。CPUによっては、コア数は4個なのにスレッド数は8個というものも存在します。このように、物理的なコアの数とCPUが認識するコアの数は異なることがあるのです。クロック数は処理の際に出る信号が1秒間に何回出ているかを表しており、コア1つあたりの性能を表す指標となっています。この数値が大きければ大きいほど、コア1つあたりの処理速度は速いです。
- クロック数:コア1つあたりの性能を表す指標(数値が高ければよい)
- コア数:CPUに搭載されているコアの物理的な数
- スレッド数:パソコンが認識する擬似的なコア数
CPUの性能を見るときには、「クロック数」と「コア数/スレッド数」を確認しましょう。といっても、どのCPUの性能が高いのかひと目では分からないかもしれません。そのときは、「(購入しようと考えているパソコンの型番)+ベンチマーク」で調べましょう。ベンチマークは同じ処理を異なるPCで行った場合の総合的な性能の指標で、この数値が高いCPUは総合的な性能が高いです。
それでも迷うという人は、同じメーカーの中でより性能の高いCPUが搭載されているパソコンを購入すれば問題ありません。たとえば、IntelというメーカーのCPUであれば、Corei3よりもCorei5のほうが、Corei5よりもCorei7のほうが性能が良いCPUです。お金に余裕があれば、Corei5かCorei7のCPUが搭載されているパソコンを購入すればとりあえず困ることはないでしょう。ただし、CPUの性能が高ければ高いほど、値段も上がります。自分の予算と用途を踏まえて適切なCPUを選ぶようにしましょう!
ちなみにこれは余談なのですが、CPUを製造している主要メーカーはIntelの他にAMDが存在します。AMDのCPUはマルチコア性能、つまり複数のコアでの処理が強いとされています。
メモリ
メモリとは「主記憶装置」です。こんなことを言っても何も分からないと思います。そもそも記憶装置には「RAM」と「ROM」の2種類が存在します。RAMは自由に書き込みや読み込みができる記憶装置で、ROMは読み込み専用の記憶装置です(書き込み機能に制限が設けられている)。ここで解説するメモリはいわゆる「RAMメモリ」のことです。RAMメモリはCPUの処理内容を一時的に保存しておく場所で、よく作業机に例えられます(作業に必要な書類や本を置いておくからでしょうか)。そのため、パソコンの電源を切るとデータが全て消えてしまいます。
- RAMメモリ:自由に読み込み・書き込みができる記憶装置。PCの電源が切れるとデータが全て消えてしまう。
- ROMメモリ:書き込み機能に制限がある読み込み専用の記憶装置。PCの電源が切れてもデータが残る。次に説明するストレージはこのROMメモリである。
メモリの性能を表す指標はその容量です。カタログを見ると、4GB、8GB、16GBなど様々な容量のメモリが記載されているのですが、この数値が大きければ大きいほどメモリの性能は良いということになります。一般的に、8GBあれば大学生の一般的な用途を満たしますが、16GBあればより快適になります。パソコンによってはメモリを増やしたり付け替えたりすることができるので、最初のうちは性能を控えめにして後から増やすということもできます。ただし、メモリの交換はメーカー保証の対象外になることもあるため、仮に作業する場合はその点を確認してから作業を行うようにしましょう。なお、、大学生協で販売しているMicrosoft社のSurfaceシリーズはメモリの増設や付け替えができませんのでご注意ください!
ストレージ
ストレージはいわゆる「補助記憶装置」で、ROMメモリに分類されます。ストレージは読み取り専用のメモリですが、電源を切ってもデータが残っているのが特徴です。そのため、ストレージは画像や音楽などといった作業には直接関係ないが、常に保存しておきたいデータが保存されます。
ストレージには「SSD」と「HDD」の2種類が存在します。SSDはいわゆるフラッシュメモリと呼ばれるものであり、半導体素子を用いてデータを記憶します。処理速度は非常に速く、衝撃にも強いのですが、HDDと比べると同じ値段では容量が少なくなる傾向にあります。HDDはデータを電磁的に記録するもので、CDやDVDに書き込むのと同じような仕組みでデータを保存します。SSDよりも安く多くのデータを保存することができますが、処理速度や耐久性はSSDよりも低いです。
- SSDとは→半導体素子を用いてデータを記憶する装置
- メリット→処理速度が速い、衝撃に強い
- デメリット→同じ容量の場合はHDDよりも高価
- HDDとは→データを電磁的に記録する装置
- メリット→SSDよりも安価で多くのデータを保存できる
- デメリット→処理速度が遅い、衝撃に弱い
ストレージも容量が大きいものであればあるほど良いですが、最近のパソコンに使用されているOSは非常に高機能な代わりに起動に時間がかかるため、OSを入れるストレージにはSSDを使用することを推奨します。SSDの容量は128GB~256GB程度確保することをオススメしますが、それ以上の容量を求めると値段が高くなってしまうのが難しいところです。
安価で多くのデータを保存したい場合には、SSDとHDDの両方が搭載されているパソコンを買うといいでしょう。この場合、OSをSSDに入れて、画像や音楽などのデータをHDDに入れるという使い分けをすることができます。
まとめ
パソコンとは何か?
- 個人で使用することを前提に設計・開発されたコンピュータ。
- 個人で使用するだけでなく、特定の用途以外にも様々な用途で使用することができる。
OSとは何か?
- OS(オペレーティング・システム)とはパソコン全体を管理するソフトウェアであり、パソコンにとって必要不可欠なものである。
- OSには主に「WindowsOS」「MacOS」「LinuxOS」の3種類が存在しており、一般向けのOSは「WindowsOS」「MacOS」、専門的な技術者向けのOSは「LinuxOS」である。
パソコンを構成する部品
- パソコンを構成する部品は主に「CPU」「メモリ」「ストレージ」の3つである。
- CPUはパソコンを演算処理を担当する部品で、その性能は「クロック数」「コア数/スレッド数」といった指標で表される。
- メモリはパソコンの処理に必要なデータを一時的に保存する部品で、容量が大きければ大きいほど高度な処理が可能となる。
- ストレージは半永久的に保存するべきデータを保存する部品で、主にSSDとHDDの2つに分かれる。SSDは処理速度が速いが高価になり、HDDは安価だが処理速度が遅い。OSはSSDに入れたほうがいい。
エピローグ
ここまでパソコンに関する基礎知識を簡単に解説しました。私もパソコンは詳しくないので間違った知識や表現が含まれているかもしれませんが、これでパソコンがどういうものなのか簡単なイメージが皆さんの頭の中に浮かぶようになったのではないでしょうか。
広島大学を志望している受験生の中にはパソコンに詳しくないという人もいるかもしれませんが、ぜひパソコンについての知識を身につけてどのパソコンがいいのかじっくり考えてください。大学で使うパソコンは、故障がない限りは最低でも4年間使用します。4年間快適にパソコンライフを過ごすことができるパソコンを選ぶのに、この記事が少しでも役に建てると嬉しいです。また、広島大学の生協でも新入生向けにパソコンを販売していますので、生協PCも選択肢の一つとして考えていただけるとありがたいです。
それでは、今回の記事はここまでとします。ここまで読んでいただきありがとうございました。