GIMPを使って写真を編集してみよう(ディレクターズ・カット版)
みなさんこんにちは。PCSSサポーターのえぞまつです。本日はGIMPを使って写真を編集する方法を解説したいと思います。ですが、本題に入る前にまずはこちらの文章をどうぞ。
まえがき:肖像権とは?
とある広告代理店にて
社員A「このポスターに渋谷スクランブル交差点の写真を入れてみたいです!」
社員B「いいアイデアですね。カメラマンに依頼してから写真を何枚か撮影してみましょうか。」
~~(1週間後くらい)~~
カメラマン「いい写真が撮れましたよ。納品しますね。」
社員A「ありがとうございます!早速この写真を入れてみよう。」
社員Bと社員C「いい感じじゃん。ヨシ!このままポスターを印刷して掲示しよう!」
~~~~~(1ヶ月後)~~~~~
社長「おい誰だこのポスターの企画に携わったやつ」
社員A・B・C「私たちですがなにか?」
社長「一般の人の顔がモロにうつっているせいでクレームがきたぞ。どうするんだこれ・・・。」
社員A・B・C「ミ゜」
上の文章は、肖像権を理解していない広告代理店社員がやらかした事例です。一体何が問題だったのでしょうか?
この事例の問題点は、「一般人の顔がうつった写真を断りなく使用したポスター公共の場に掲示したこと」です。日本では「肖像権(しょうぞうけん)」というものが法律によって守られています。肖像権とは、一言でいうと「顔や姿を撮影されてなおかつそれを無断で公表されない権利」のことです。実際にはプライバシーに関する権利とパブリシティに関する権利で分かれていますが、詳しい解説は各自で調べてもらえるとありがたいです。
(参考サイト)https://www.jame.or.jp/shozoken/syouzoukentoha.html
もし先ほどの事例のように、誰かの顔が特定できるようにうつっている写真を何らかの作品に利用したい場合には、2つの方法のうちいずれか一方を選ぶ必要があります。1つは、許可を得た上で写真を公開することです。そして、もう1つが今回紹介する「誰か特定できないように写真を編集する」という方法です。
そこで、今回は肖像権を守れるような写真の編集方法について解説していきたいと思います。
GIMPについて
そもそも写真の編集にはどのようなソフトが必要なのでしょうか?プロのカメラマンにこの質問をすると色んな回答がきますが、私だったら「GIMP」というソフトをおすすめします。GIMPとはフリーの画像編集ソフトで、無料で使えるにもかかわらず様々な機能を搭載しているのが特徴です。GIMPのダウンロード・インストールの方法については詳しく解説しませんが、インターネットで検索したら公式サイトか「窓の杜」というサイトで入手することができます。
実際に作業してみよう ~モザイク処理~
それでは、実際に作業をしてみようと思います。今回の目標は、写真にモザイクをかけて保存することです。頑張っていきましょう。

GIMPを開くとこのような画面が出てくると思います。これがGIMPの編集画面です。GIMPでは、主に赤線で囲った部分に様々な編集機能が備えられています。しかし、今回はほとんど使用しません。モザイクをかけるときには、上の「フィルター」というところを使うからです。

この「フィルター」というところに、先ほどのモザイク加工の機能が備わっています。
まずは、実際に編集する画像を開いてみましょう。

既存の画像を開くためには、上の「ファイル」タブから「開く/インポート」を選択します。そして、実際に使用する写真を選択してGIMP上で開きます。

これは大学の近くを散歩したときに発見した看板です。今回は、この看板にモザイクをかけます。

実際に写真を開くとこのような画面になります。それでは、ここからは実際に写真にモザイクを入れてみましょう!

まずはモザイク処理を加える部分を選択しましょう。モザイクを入れる部分を選択するには、先ほどの編集記号のうち「矩形選択」と呼ばれるものを選択します。1番上の左から2番目のマークをクリックすると、写真の一部範囲のみを選択することができます。選択範囲を端から端までドラッグすると、点滅する四角形が現れます。これで範囲選択は完了です。

次に選択した範囲にモザイク処理を加えます。上のタブの「フィルター」タブから、「ぼかし」を選択すると、画像にぼかしを入れることができます。様々な種類のぼかしがありますが、今回は「モザイク処理」を使ってみましょう。

モザイクを選択すると、このような画面が出てきます。ここではモザイク処理についてより細かく編集することができるのですが、今回はそのまま「OK」を押して構いません。

すると、このように選択した範囲にモザイク処理が施されています。少し分かりづらいですが、そのままの状態よりは少し男の子のイラストが見づらくなったと思います。このように、モザイク処理を施すことで顔を特定しづらくすることができます。これにてモザイク処理は完了です!
作業した画像をjpeg形式で保存しよう
こうして写真を編集することができましたが、GIMPではこのデータを画像として別途保存する必要があります。そこで、次は作業したデータを画像形式で保存する方法を説明します。

まずは「ファイル」タブを開き、「名前を付けてエクスポート」を選択してください。すると、新しい画面が出てくると思います。

この画面が出てきたら、まずはファイルの保存場所を確定し、次に上の「名前」の部分でファイル名を変更してください。そして、ファイル形式ですが、GIMPの場合はファイル名に直接「拡張子」というものを記入してからファイル形式を選択します。拡張子とはファイルの形式を識別するためのもので、GIMPではこれを直接入力してから形式を決めることになっています。今回はjpeg形式で保存したいのですが、「.JPG」で問題ないのでそのままにしましょう。名前を変更したら、「エクスポート」をクリックです。

すると、このようにエクスポート時のオプションを設定する画面が出てきますが、ここもスルーしてから「エクスポート」をクリックしましょう。すると、しっかりとモザイクを設定した画像が保存されます。これにて作業は完了です。後はご自身の用途に合わせて画像を活用してください!

あとがき ~GIMPでの写真編集のまとめ~
お疲れさまでした。こうして作業してみると、意外と簡単に編集できることが分かると思います。GIMPではモザイク処理以外にも、写真の色合いを変えたり複数の画像を組み合わせて1枚の画像にしたりするなど、様々な編集機能が備わっています。写真や画像を編集するスキルを身につけて、肖像権を遵守しつつ自分の表現したいものをどんどん表現していきましょう!
それではここまで読んでいただきありがとうございました。